マンションのフローリング張替えを検討する際、最初に行うべきはリフォーム会社への相談ではなく、自宅マンションの「管理規約」の熟読です。管理規約には、床の張替えに関する厳しいルールが明記されており、これを知らずに進めてしまうと、後から多額の追加費用やトラブルに見舞われることになります。多くのマンションでは、階下への音の伝わりを制限するために、床材の遮音等級(L45やL40など)を指定しています。この規定が「LL45」という古い基準なのか、「DeltaL等級」という最新の基準なのかによって、選べる床材の選択肢と価格が大きく変わります。また、規約によっては、フローリングの張替え自体を原則禁止していたり、特定の工法(直貼り限定など)を指定していたりすることもあります。規約を確認せずに見積もりを取ってしまうと、業者から提示された安価な床材が実は規約違反で、後に高価な認定品への変更を余儀なくされ、予算が大幅に狂ってしまうというケースが多々あります。さらに、工事を始めるためには管理組合への事前申請が必要であり、その際には「工事計画書」や「使用材料の品質証明書(遮音性能試験結果など)」の提出を求められます。これらの書類作成を業者に依頼する場合、事務手数料として1万円から3万円程度の経費がかかることがありますが、これを自力で準備するのは困難なため、必要経費として予算に組み込んでおくべきです。また、工事可能な曜日や時間帯の制限も費用に影響します。土日祝日の工事が禁止されているマンションでは、平日の限られた時間内で作業を終わらせる必要があるため、人件費が割高になったり、工期が1日延びることで諸経費が増えたりすることがあります。近隣住民への事前の挨拶回りや、掲示板への告知といったルールを怠ると、工事中に苦情が入って作業が中断し、その遅延損害金が発生する恐れさえあります。管理規約を正しく理解し、規約に精通した業者を選ぶことは、一見すると手間がかかるように見えますが、結果として無駄な追加費用を抑え、最もコストパフォーマンスの良いリフォームを実現するための最短ルートとなるのです。
管理規約の確認がマンション床リフォームの費用を抑える