自宅でのリモートワークが定着したことを機に、あまり活用されていなかった実家の和室を自分専用の書斎に作り替える決断をした田中さん(仮名)の事例を紹介します。田中さんの悩みは、畳の上にデスクとキャスター付きのチェアを置くと、畳がすぐに傷んでしまい、椅子の動きもスムーズではないことでした。また、和室特有の落ち着きは魅力的でしたが、パソコン作業をするには照明が暗く、壁紙の雰囲気もビジネスには不向きでした。そこで彼は、畳をフローリングにするリフォームを軸とした空間の全面刷新を計画しました。まず、床材には落ち着いた色合いのウォールナットの複合フローリングを選択しました。これは、既存の柱や長押の木の色と調和させつつ、モダンな印象を与えるための選択でした。施工にあたっては、古い畳を全て撤去し、下地を新設することで、廊下との段差を完全になくしました。これにより、椅子での移動が自由自在になり、掃除ロボットもスムーズに稼働できる環境が整いました。壁には、和紙の風合いを残しつつも現代的なグレーのクロスを貼り、天井も明るいホワイトに変更したことで、部屋全体の照度が上がり、ウェブ会議でも顔映りが良くなったと言います。さらに、押し入れは中段を取り払い、大容量のクローゼットへと改造しました。ここには仕事用の資料だけでなく、趣味のキャンプ道具なども機能的に収納されています。リフォーム後の変化について、田中さんは「床をフローリングにしたことで、和室だった頃よりも部屋が広く感じられるようになりました。何より、お気に入りのオフィスチェアを心置きなく使えるのが嬉しいですね」と語ります。また、以前は冬場になると畳の下からの冷気が気になっていましたが、リフォーム時に断熱材をしっかり入れたおかげで、足元の冷えも改善されたとのことです。総額で約60万円の投資となりましたが、仕事の効率が上がり、自分だけの集中できる拠点を持てたことの価値は、それ以上のものでした。この事例は、伝統的な日本の空間を現代のライフスタイルに合わせて再定義する、成功したリフォームの典型と言えるでしょう。
和室を洋風の書斎へ改装した40代男性の事例