私はリフォームの現場で20年以上大工として働いてきましたが、8畳間の畳からフローリングへの張り替えは、非常にやりがいのある仕事の1つです。よくお客様から「6畳と8畳で何が違うの?」と聞かれますが、実は8畳になると作業の難易度が少し上がります。まず、面積が広くなる分、床の歪みが顕著に現れやすくなります。古い家では8畳という大きな空間の端と端で、高さが2cm以上も違うことがあり、これを下地で水平に直す作業には非常に神経を使います。水平が取れていないと、新しいフローリングを張ったときに隙間ができたり、後から歩くたびにミシミシという異音の原因になったりするからです。また、8畳分の畳は相当な重量になります。1人で8枚の畳を運び出すのは重労働ですし、処分場までの運搬費もそれなりにかかります。費用の中に含まれる処分代を「高いな」と感じる方もいるかもしれませんが、あの重い畳を適切に処理するのにもそれなりのコストがかかっているのが現実です。下地工事が終わってフローリングを張り始めると、8畳という面積は板の枚数も多いため、1日ですべてを終わらせるのはかなりタイトなスケジュールになります。特に、最近人気の硬い素材や、特殊なコーティングが施された板は、カットするのにも時間がかかります。壁際の複雑なカットを丁寧に行い、最後に幅木でピシッと締めると、和室だった部屋がまるで新築のような洋室に生まれ変わります。その瞬間の、お客様の驚いたような嬉しそうな顔を見るのが、この仕事の最大の喜びです。最近はDIYに挑戦する方も増えていますが、8畳もの広さを水平を保ちながら完璧に仕上げるのは、道具を揃えるだけでも大変です。私たちはプロとして、30年後も床鳴りがしない、強固な床を作ることに誇りを持っています。8畳という家族の生活の拠点となる場所だからこそ、目に見えない下地の1本1本のネジにまでこだわって作業をしています。提示する費用には、そうした長く住み続けるための安心代も含まれていると理解していただければ嬉しいですね。
職人が語る8畳間のフローリング工事の裏側