マンションのフローリング張替えの見積もりを比較する際、材料費や施工費といった主要な項目以外に記載されている「諸経費」の内容を正しく理解しておくことは、予算オーバーを防ぐために不可欠です。諸経費には、現場監督の管理費、事務手数料、現場の清掃費などが含まれますが、マンション特有の事情によって、この項目が意外と膨らむことがあります。まず代表的なのが「養生費」です。マンションのリフォームでは、工事をする専有部分だけでなく、エントランスからエレベーター、共用廊下に至るまでの搬入経路を傷つけないよう、プラスチックボードやシートで保護しなければなりません。この共用部分の養生には手間と材料がかかるため、1回の工事で2万円から5万円程度の費用が計上されることが一般的です。次に「駐車場代」です。都市部のマンションでは、敷地内に工事車両を停めるスペースがないことが多く、近隣のコインパーキング代が実費として請求されます。1日の駐車料金が3000円だとしても、4日間の工事であれば1万2000円が加算されます。また「廃材処分費」についても注意が必要です。マンションの古いフローリングは、管理会社が指定する搬出ルートを使って外へ運び出す必要があり、戸建てに比べて搬出時間が長くなるため、その分が処分費用に上乗せされることがあります。さらに、工事が始まってから発覚する予期せぬ出費として最も多いのが「下地調整費」の増額です。古いフローリングを剥がした際、下地のコンクリートにひび割れがあったり、不陸と呼ばれる大きな凹凸が見つかったりすることがあります。そのまま新しい板を張ると床鳴りやガタつきの原因になるため、セルフレベリング材などを使って平らにする補修が必要になり、これに5万円から10万円程度の追加費用がかかる可能性があります。また、家具の移動を業者に依頼する場合、ピアノや大型の婚礼家具などは別途専門の運搬費用が発生することもあります。見積書に記載された金額が、どこまでの範囲を網羅しているのか、どのような場合に別途請求が発生するのかを、契約前に担当者と徹底的に話し合っておくことが、精神的にも金銭的にも余裕を持ってリフォームを完遂させるための秘訣です。
マンションの床工事における諸経費と予期せぬ出費