3年前、私は長年住み慣れた賃貸マンションを出て、自分たちだけの持ち家を持つことを決意しました。新築マンションのモデルルームもいくつか回りましたが、どれも画一的な間取りで、自分たちの趣味である登山道具の収納スペースや、本格的なコーヒーを楽しめる広いキッチンを確保するのは難しいと感じていました。そこで選択したのが、築28年の中古マンションを購入し、自分たちの理想に合わせてフルリノベーションするという道でした。物件探しでは、建物の管理状態や立地を重視し、内装の古さはあえて気にせずに「箱」としての魅力を探しました。購入後、設計士の方と何度も打ち合わせを重ね、まず最初に行ったのは、すべての内装と設備を撤去してコンクリートの剥き出し状態にするスケルトン工事でした。この段階で、隠れていた配管の劣化状況などを確認し、すべて新しいものに交換しました。間取りは、元々あった3LDKを大胆に壊し、広いワンルームのようなLDKと、寝室、そして玄関から直結する巨大な土間収納へと作り替えました。工事中は予想外のトラブルもありました。古いマンション特有の梁の出っ張りが大きく、予定していたキッチンの高さに微調整が必要になったり、床下の構造の関係で段差を完全になくすのが難しかったりと、リノベーションならではの難しさを肌で感じました。しかし、それらの一つひとつをプロのアドバイスを受けながら乗り越えていく過程は、自分たちの家を作り上げているという強い実感があり、非常に楽しいものでした。完成して入居した時の感動は今でも忘れられません。無垢材を使ったフローリングの質感や、自分たちの背丈に合わせて設計した造作家具、そして何より、自分たちの生活動線に完璧にフィットした間取りが、日々の暮らしに驚くほどのゆとりを与えてくれました。新築では決して得られなかった「自分らしさ」が詰まった空間で過ごす時間は、何物にも代えがたい価値があります。確かにリノベーションは、打ち合わせの手間や工事期間など、新築購入に比べて労力はかかります。しかし、その過程で家というものに深く向き合い、自分たちの生き方を再定義できたことは、人生において大きな財産になったと確信しています。
中古マンションを購入してリノベーションした私の体験記